アサーティブ(自己主張)の構造

アサーティブ・コミュニケーションとは

相手の立場や意見を尊重しつつ、自分の主張を正確に伝える表現方法

アサーティブコミュニケーションの4つの柱

NPO法人アサーティブジャパンの代表理事・森田汐生さんの著書

『気持ちが伝わる話しかた 自分も相手も心地いいアサーティブな表現術』(主婦の友社、2009年)より

◯ 誠実
まずは自分自身に対して誠実であることが大切。

◯ 率直
遠回しな表現をせず率直に伝える。主語を「私」にする

自分の言いたいことを第三者に代弁させない。

例)「みんな困ってるみたいです」「◯◯さんがこう言っていたんです」

ではなく、「私は◯◯と思います」

◯ 対等
相手が誰であれ、落ち着いて堂々としていることが大切。相手を下に見たり、目上の相手だからといって恐れたりしない。

◯ 自己責任
自分の行動の結果に責任を取る。自分が意見を主張したこと、あるいはしなかったことで生じた結果について、責任を取る

すべての責任を相手に押しつけない。たとえ相手の非が大きくても、「自分に多少なりとも責任(非)がある」と思うことが大切。

アサーティブではないコミュニケーションとは

◯ 攻撃的
自分の要求を押しつけがち。意見を主張はするものの、相手に配慮ができていない。

◯ 受身的
対立を恐れるあまり、自分の意見をはっきり主張しない。

我慢が多くストレスをためがち。曖昧な表現をして、周囲をいらだたせることもある。

◯ 作為的
表立った対立を避け、裏で手を回す。周囲の人たちを巻き込んだり、陰で悪口を言ったりする。

受身的のように見えるけれど、実は攻撃的。

上に挙げた3つのタイプは、いずれも自己中心的。

「受身的」タイプが自己中心的である理由

相手に合わせすぎるのは親切心からではなく、「自分が嫌われないように」「自分が傷つかないように」という自己中心性から来ているから。

自分も相手も中心にせず、対等にすることがアサーティブコミュニケーション。

具体例

◯ あなた主催の会議が時間通りに終わりません。しかし、あなたには次の約束が。

【悪い例】

「いつまで続けるの?」とイライラ(攻撃的)
「あのー……もう時間が……」とビクつく(受身的)
無言で時計を何度も見る(作為的)

【アサーティブな例】

堂々と「そろそろ時間になりますので、終わりにさせていただきます」。

次の予定があることを、会議の前に伝えておく。話がまとまっていなければ、別の機会を提案する。

同意を求められたとき


グループの仲間から、皆で行うある案について「どう思う?」と尋ねられました。あなたは反対ですが、ほかの全員は賛成しています。反対したいという主張をどう表現するのが良いでしょうか

【悪い例】

「やめたほうがいいんじゃない?」否定(攻撃的)
「いいと思う」我慢(受身的)
「いいね」と言うけど、あとでほかの同僚に不満を言う(作為的)


【アサーティブな例】

「予定よりお金がかかりそう」「人手が足りないかもしれない」など、具体的な問題点を伝え、可能であれば、代替案を出す。

困難な依頼をされたとき

すでに大量の業務を抱えているときに、別の用事を頼まれた場合、どうしたらいいでしょうか

【悪い例】

「忙しいので無理です」(攻撃的)
できないんだけどと思いながら「はい、わかりました」(受身的)
「忙しいんだよね」とつぶやく(作為的)

【アサーティブな例】

「現在◯と△の仕事を抱えていて、時間を割けそうにありません。終わったあとなら取りかかれますが、それでもいいですか?」と代替案を提示する。

自己主張する前に

「起きていること(事実)」「感じたこと(感情)」「してほしいこと(要求)」を紙などに書き出し、頭の中を整理してから伝えることが良いとのこと。さらに代替案があれば相手も「否定された」と思わないそうです。

まとめ

いつも大切だと思いながらなかなか振り返ることができずにいる『アサーティブ』。

対立を避けるために使う『受動的』が、実は攻撃的なコミュニケーションだったということは、調べ直すたびに驚きます。

どんな相手にも堂々と落ち着いて自己主張したほうが、自分も楽だし、相手にも好感を持たれる。

忘れないように定期的に『アサーティブ』について書いていきたいと思いました。

書いたひと

東谷ひとみ 公認心理師

所属 PIAS麻布コレクティブ(麻布十番)

精神科医 斎藤学先生のもとで精神療法を学び実践中です。

カウンセリング場所 麻布十番をはじめとする都営大江戸線上のレンタルルーム

安全な空間で、話したいことをお聞きします。お気軽にご相談ください。

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