映画『無法松の一生』

無法松と呼ばれている暴れん坊の車引きがいる。

当時、芥川(龍之介の息子で俳優)が海軍の演習から戻り肺炎で死んでしまう。

その海軍士官を乗せていた車引きの名前が『松五郎』という。

松五郎は大暴れするので無法松と呼ばれている。

これが奥様とご主人様の産んだ子どもを陰から見守る。

息子は最初は遊んでくれて、喧嘩のときに助けてくれる無法松に甘えることができたんだけど、成長していくうちに段々嫌になっていく。

町の中の芸人とか車引きばかりいるところに住んでいて、一般市民からさげすまれている存在の人が自分を助けることに気恥ずかしさと同時に、伸びていく少年特有の『大人の介入が邪魔だ』ひとりでやっていけると思うようになる。

熊本の五高に旅立つころは大っ嫌いになっていた。松五郎は息子が旅立った後、一人寂しくなった奥様のところに行きたくてしょうがないのだけれど、そういう自分を責めている。

最終的には大酒を飲んでその足で奥さんに一目会いに行くのだけれど、会ってみると「あなたが好きだ」と言えない。

そのまま雪の降り積もる場所に行き、雪の中で死んでいく。それを五高から休みのときに帰ってきた息子が無法松の死を知って、母への思いを一生かけて実現した。息子の自分を保護することで思いを伝えようとした男の話として理解する。

理解できたところでその少年は成長する。

そういうのを1つの映画にまとめたのが『無法松の一生』で、これは名画である。

2023.2.5  精神科医 斎藤学先生が主宰する精神療法講座『RAカフェ』にて

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